ユーロダンスが隆盛だったのは1990年代ですが、2000年代に入ると「ウッーウッーウマウマ(゚∀゚)」でおなじみの「Caramelldansen/Caramell」や「高らかにオナニー」でおなじみの「(åh) NäR Ni Tar Saken I Egna HäNder/After Dark」、「マイアヒ」なでおなじみの「Dragostea Din Tei/O-Zone」ど、インターネット・ミームによってヒットする楽曲が増加しました。
現在でも少数ながらユーロダンスは製作されていて、キャプテン・ジャックの復帰曲「Change(90’s Style Radio Mix)/Captain Jack feat.Fun Factory」、マスターボーイの復帰作「Are You Ready(We Love The 90s)/Masterboy & Beatrix Delgado」など当時のユーロダンスを再現したサウンドが登場しています。
ユーロダンス中心に収録されていますが、中には「Rainbow To The Stars/Dune」のようなハッピー・ハードコアや「Wannabe/Spice Girls」のようなダンスポップ、「I Want Candy/Candy Girls」のようなハッピー・ハンドバッグなど他のジャンルの曲も収録されていました。
収録曲では通好みの隠れた名曲「Inspiration/Strike」やジュリアナ東京時代のテクノ「Night In Motion/Cubic 22」「No Limit/2Unlimited」のリミックス、「Breathe/Prodigy」などメインシリーズでは収録できないけど外せないというナンバーまで網羅しています!
ダンスマニアの記念すべき処女作「Dancemania 1」の第1曲目に収録され、メインアーティストの1人となった「E-Rotic」。当時、ヨーロッパでもHIVは大きな問題となっており、この曲はネタ曲ではなく「コンドームを使いましょう」というメッセージソングであることは認識しておきましょう。現在もプロジェクトは存続しており、2020年にはデビューシングルのリブート「Max Don’t Have Sex With Your Ex(Reboot 21)」、2021年には「Murder Me 21」「Head Over Heels」をリリースしています。
日本限定でシングルがリリースされたものの、ダンスマニアではほとんどウケなかった残念なアーティスト・・・ですが、カッティング・エイジにレーベルを移籍してリリースされたアリソン・ライムリックの名曲「Make It On My Own」のカバーが大ヒット(ちなみに、荻野目洋子もカバーしてます)。皮肉にも同じくダンスマニアからエイベックスへ移籍したプロデューサーによって立ち上げられた「ULTRA DANCE」の人気アーティストとなるのでした。しかし、ダンスマニア見る目があるなーということで、チェックしておくべき通好みの1曲。
ボーカルに「49ers」などでボーカルを努めた「Ann-Marie Smith」を迎え、いわゆるジュリアナテクノのヒット曲として知られる「The Music Is Movin’」を送り出したイタリアのDJであるファーゲッタこと「Mario Fargetta」のスマッシュヒット。ボーカルは矢沢永吉とも共演したこともある「Zeitia」へとチェンジしていますが、レゲエ・ハウス・ソウル・ジャズなど様々なジャンルで活躍した力強いソウルフルなボーカルが魅力的なナンバーです。ダンスマニア的にはヒットしてませんが、オススメな1曲。なお、この曲が収録された「Dancemania 5」ではファーゲッタ自身がノンストップミックスを担当しています。
1994年にリリースされた「The Sunshine After The Rain」がイギリスのアンダーグラウンドでヒットしたベリーのセカンドシングル。イギリスのシングルチャートではTOP20にランクインするなど、チャートアクションも悪くはありませんでした。これらのヒット曲とアルバム「About Time(Amazon)」を引っさげてダンスマニアに参入したものの、個性とクセが強すぎるアーティスト揃いの中に埋もれてしまったという感じです。でも、個人的に高評価なので、今でも推し続けます!
「X-ファイルのテーマ」や「ミッション:インポッシブルのテーマ」のドリーム・ハウス・カバーで知られるイタリアのDJ・プロデューサーの「DJ Dado」が、名曲ガラージ・ハウス「Don’t Give Up」を大ヒットさせたミッシェル・ウィークスをゲストに迎えたソウルフルなボーカルが冴え渡るナンバー。オリジナルはロバート・マイルズの名曲「One And One」を彷彿とさせるドリーム・ハウスですが、ダンスマニアに収録されているバージョンはユーロダンス・スタイルにリミックスされています(日本版ベストアルバムのボーナストラックにのみ収録)。イタリアのシングルチャートで1位を記録した、間違いなく大ヒット曲と呼べるナンバーですが・・・「Wanna B Like A Man」同様、ダンスマニアではあまり目立たない曲となっているのが残念。ぜひ、再チェックしておきたい1曲です。
「アイヤイヤー」でおなじみのスマイルdkの大ヒットナンバー。ユーロビート・バージョンである「Butterfly(Hyper K Mix)」はパラパラも付いており、たまにクラブでプレイされることがありました。DDRでも人気で、当時はゲーセンでは若いカップルが遊んでいる姿がよくあったんです・・・今では信じられないかもしれませんが、「カップル限定台」なんてのもあったりしたんですよ・・・。
ダンスマニアの第1作目に収録されたスザンヌとパーニルの姉妹デュオ「Me & My」の大ヒットシングル。コスプレした2人のインパクトもあって、日本でもアルバムが150万枚を売り上げるほど大きな注目を集めました。振り付けもあって、クラブでもよくプレイされていたナンバーです。ベストアルバム「The Ultimate Collection」に収録された「Two Are Stronger Than One」が2016年にリミックスされてリリースされましたが、それ以降は目立った動きはありません。最近、ユーロダンス・アーティストの動きが活発化しているので、ぜひ復帰してほしいですね。
デンマーク出身のシンガー・ソングライターで、マドンナが主宰するマーヴェリックと契約したことでも大きな話題を集めました。「Hero」はヨーロッパをはじめ、台湾や香港などアジア地域でも大ヒット。「Hero」をはじめ「Supergirl」「Pink Dinosaur」などカワイイ楽曲が多く、女子に人気の高いアーティストでした。2000年に本名「Linnéa Handberg」名義で「This Is Who I Am」をヒットさせ、こちらは「Ultra Dance 008」に収録されています。
多くのヒット曲を放ったエロティックですが、こちらはアルバム「Kiss Me」から日本独自のアルバムカット。シングルリリースされていないにも関わらず、日本人の感性にマッチする哀愁ハイパーユーロダンスで人気曲となりました。ダンスマニアの集大成「Dancemania DIAMOND」も収録されています。テクパラが付いており、ハイパーテクノとしてクラブでもよくプレイされていました。アルバム「Total Recall」には、トランス・スタイルのリミックス「Do It All Night 2003」が収録されています。
「Butterfly」「Boys」などヒットを連発したスマイルdkのファーストアルバム「Smile」からのカット。前2曲と違いクラブプレイされるような曲ではありませんでしたが、ダンスマニアにも収録されマニア受けした1曲。DDRでは「In The Navy ’99/Captain Jack」同様、マニアックの譜面がおもしろくて特徴的だったので印象に残っているナンバーでした。
謎のアーティストながら、ダンスマニアに収録されたことで謎のヒットとなったダンダリラン。サビのフレーズが印象的で、ハイスピードかつ哀愁漂うメロディが日本人に受け入れられやすいからでしょう。聞き慣れないアーティストですが・・・中の人はユーロビートの「DELTA」レーベルから「安田ハッピー」でおなじみの「Heartbeat/Nathalie」や「恋は最終兵器」こと「Love As A Weapon/Larabelle」などのヒット曲を歌ってるほか、「Delta Queens」や「Doki Doki」などの人気プロジェクトに参加しているので、実は知っている・・・かも? 当然、実力も折り紙付きです。まぁ、イタリアのダンスミュージックは覆面プロジェクトが多いので「あの曲を歌ってるのも、実はあのアーティストだった」ということが日常茶飯事なんですよね。現在は「Nat & Kim」や「The Soundlovers」のプロジェクトで楽曲をリリースしています。
前述の「DJ Miko」もカバーしているジグソーの「Sky High」ですが、やはりニュートンのカバーも忘れてはいけませんね。オリジナルはディスコでヒットしたことはもちろん、プロレスラーのミル・マスカラス選手の入場曲としても認知度が高い楽曲です。カイリー・ミノーグやデッド・オア・アライブなど数々のユーロビートヒットを生み出した伝説的プロデューサーユニット「PWL」のストック&エイトキンがプロデュースしており、80年代の懐かしさと90年代の新しいサウンドが融合したユーロダンスで大ヒットしました。「Dominion Records」と契約後もクラシック・ポピュラーのユーロダンス・カバー路線は続き、「Sometimes When We Touch」「We’re All Alone」などをヒットさせています。
オリジナルは「Holding Out For A Hero(ヒーロー)」でおなじみのボニー・タイラーが1984年にリリースしたヒット曲で、ニッキー・フレンチのダンスカバーも大ヒット。U.K.チャートTOP5、U.S.チャートはTOP2にまで上昇する世界的な人気を獲得しました。日本でも大ヒットし、1995年に開催された洋邦ダンスミュージックの一大ショーケース「avex Dance Matrix ’95」のテーマソングにもなっています。
28.I Don’t Want To Miss A Thing/Deja Vu feat.Tasmin
トニー・ブラクストンのカバー「Un-Break My Heart」でデビュー以降、イギリスのハンドバッグレーベル「Almighty Records」のカバー専門プロジェクトとして活動。この曲は映画「アルマゲドン」のテーマソングであるエアロスミスのカバーで、日本のディスコ・クラブでウケにウケまくったナンバーです。ダンスマニアでもメインシリーズ「Dancemania X2」他、多数のサブシリーズに収録されました。
30.Can’t Take My Eyes Off You(70’s Remix)/Beat Box
ディスコではおなじみの「君恋」こと「Can’t Take My Eyes Off You」のカバーですが、数あるユーロダンス・カバーの中でも人気の高いバージョン。無名アーティストですが、プロデュースを「Bad Desire/F.C.F.」「Japan Japan/Alphatown」など数々のユーロビートヒットを残している伝説的プロデューサー「Mauro “Mark” Farina」率いる「Factory Team」が担当していることから、サウンドのクオリティは非常に高いです。
ダンスミュージック・グループ勢が強い北欧はデンマークから1994年に結成されたアクア。「Roses Are Red」「Doctor Jones」のリリース後「Barbie Girl(愛しのバービー・ガール)」のスマッシュ・ヒットで一躍世界へと飛び立ちます。この曲が収録されているデビューアルバム「Aquarium」は全世界で1500万枚も売れたモンスターヒットとなりました。また、全世界で約3,300万枚のレコードを売り上げた記録を持つ、デンマークで最も売れたグループとなっています。2001年に一度解散していますが、その後もたびたび再結成されており、現在でも活動が続いています。2021年にはシングル「I Am What I Am」がリリースされました。
35.All The Things She Said(Extension 119 Club Vocal)/t.A.T.u.
ミュージックステーションのドタキャン事件が記憶に残るお騒がせデュオの「t.A.T.u.」。この「All The Things She Said」は元々地元ロシアでのデビューシングル「Я сошла с ума」の英語カバーになります。U.K.チャートを始め、ヨーロッパ各地で大ヒットし、日本でもブレイク。アルバム「200 Km/H In The Wrong Lane」は輸入盤も含めて200万枚以上を売り上げ、一躍トップスターの仲間入りを果たしました。こちらはクラブでよくプレイされたリミックスバージョン。ジャケットがまぁそういう感じで曲の内容を表しています。ちなみに、モデルの鈴木えみと沖樹莉亜のユニット「ジュエミリア」による日本語カバーもあるのは、あまり知られてなかったりします。
あまりにも怪しすぎるインド人のタクシー運転手というキャラでリリースしたアルバム「Rice & Curry」からのシングル「Calcutta (Taxi Taxi)」や「S.O.S. (The Tigerook My Family)」など、ユーモラスなナンバーで話題となったDr.ボンベイ。ステレオタイプなインド人キャラとサウンドですが、中の人はスゥエーデン人なのはユーロダンスの常識。他にもスコットランド人のマクドゥーや、メキシコ人のカルリートというキャラでもアルバムをリリースしています。
「All That She Wants」「Don’t Turn Around」「The Sign」など数々のヒットを飛ばし、デビューアルバムも全世界で大ヒットを記録。かの伝説的スゥエーディッシュ・ポップ・グループ「ABBA」の再来とも言われ、当時最も勢いのあったエイス・オブ・ベイス。セカンド・アルバムからのファーストシングルは、これまでのラガ・ポップとは異なる典型的なユーロダンスということで話題となりました。
デビューシングルである「Saturday Night」がイタリアをはじめ、ドイツ・イギリスなどで首位を獲得し、新人ながらいきなり世界的なヒットアーティストとなったウィッグフィールド。「Another Day」「Think Of You」「Close To You」「Big Time」「Sexy Eyes」など、ファーストアルバムはほぼ全てヒット曲というとんでもないモンスターアルバムも大ヒット。独特な振り付けも存在し、日本でリリースされたシングルには振り付けの解説が付いていました。日本では「MAX」のデビューシングルとして「恋するヴェルファーレダンス」という名称でカバーされています。
前述の「Love Child/Mylin Brooks」がダンスマニア2に収録されたマイリーンの代表的なナンバーで、アリソン・ライムリックのカバーソングです。「Have You Never Been Mellow/The Olivia Project」のリミックスが人気だった「KCP」によるリミックスはウルトラダンスのみの限定収録。日本人好みの哀愁ダンスサウンドが心地よい名曲。
オリジナルは元PWLのストック&エイトキンが立ち上げたレーベル「Love This Records」からリリースされた「Ridin’ High/Serena」。露骨に「Santa Maria/Tatjana」の二番煎じで大失敗して、通好みなマニアのハートを掴んだ隠れすぎて表に出てこない迷曲を、イギリスの女優であるトレイシー・ショウがカバーするという謎展開にワクワクします。
「Never Fall In Love/Dany L.」と同じく「MGL」からリリースされた、こちらはキュートでポップなユーロダンス・ナンバー。パラパラも付いており、ユーロビートのイベントでもプレイされることがありました。ちなみに、このアーティストは「Delta」レーベルでは「Sara」名義で「Burning Up For You」などの曲を歌っています(当然、中の人は複数の名義でいろんな曲に参加しています)。
ウルトラダンスの看板アーティストのひとりであり、TVのバライティ番組でも起用された「5.6.7.8.」が話題となったステップスから、U.K.でアルバムチャート1位を記録して大ヒットしたセカンドアルバムからのカット。プロデュースには元PWLのピート・ウォーターマンが携わっており、往年のハイエナジーサウンドと現代風のポップスが融合したダンスミュージックとなっています。ステップスは2度の解散と再結成を経て現在も活動していて、2021年には「Take Me For A Ride」「Heartbreak In This City」をリリースしています。
「Axel F」「Everybody」「Whoomph!(There It Is)」「In The House」「Holding On 4 U」「Fly Away」など、日本においても数々の楽曲をディスコ・クラブでヒットさせたクロック。ウルトラダンスでも看板アーティストのひとりでした。「Oh What A Night」以降はミディアムテンポのダンスポップ中心となり、ウルトラダンスでも「Blame It On The Boogie」「Private Eyes」など80’sのダンスカバーが中心で角が丸くなったなーといった印象でした。しかし、ついに爆弾投入・・・「Every Little Thing」の名曲をユーロダンス・カバーというインパクトで話題となりました。
こちらも、ウルトラダンスの看板アーティストであるベンガ・ボーイズからの1曲。「We Like To Party!」「Boom, Boom, Boom, Boom!!」「Up & Down」など、日本で紹介される以前にも多くヒットを放っており、本国ドイツのほか特に香港や台湾などアジア地域で大人気のアーティストでした。この曲は1973年にリリースされた「Walkers」のカバー。ベンガ・ボーイズ以前にも、やはりアジア地域で人気のアーティスト「Dream House」がカバーしており、世界的には定番の1曲。海外では独自の振り付けがあるのですが、日本に入ってきたというのは聴いたことはありません。
名古屋は音楽性に関しても独自の個性があり、特にディスコ・クラブ・ラジオなどで発信されたダンスミュージックが全国に広まることも珍しくありませんでした。こちらも、そんな名古屋系の1曲。スウェーデンからデビューした3人組でファーストシングル「Paradise」で注目され、セカンド「Let Me Love You」が世界的にブレイクしたダ・バズ。クラブでは「Hex Hector」のリミックスが人気でした。名古屋のラジオ局「ZIP-FM」限定のスペシャルバージョン「Let ZIP Love You」も存在します。
ウルトラダンス系最後を占めるのはユーロダンスじゃないけど許して! チャカ・カーンの名曲「Through The Fire」のハウスカバーで一躍人気アーティストとなった日本人のユニット「GTS」。クリスマスアルバムに収録され、彼らの隠れた名曲と言われる伝説的な哀愁ダンスポップをご紹介しましょう。全人類はこの曲を聞くべきです!
通称「UCC」ということで、この単語を聞くとディスコフリークはコーヒーメーカーではなくてアーバン・クッキー・コレクティヴの名前を浮かべるのでは。このナンバーはU.K.でもチャート最高位2位を記録したほか、各国のチャート上位に入る大ヒットとなりました。日本ではテレビ朝日系「トゥナイトⅡ」のオープニングテーマに起用されていたので、記憶に残ってる人も多いのではないしょうか。96年には「Armand Van Helden」や「Dancing Divaz」によるバージョンがリリースされ、その後も度々リミックスされたりしています。
1991年にリリースされたイタロハウスの名曲「Keep Warm」は世界的な大ヒットとなりましたが、ジュリアナ東京ではよりファンキーな「Never Give Up」が人気でした。このナンバーは閉店間際の1994年にリリースとなっており、あまり記憶に残らないナンバーでしたがユーロビートで有名なイタリアの「Time」レーベルらしいポップかつ繊細なユーロダンスです。
1980年代からイタロハウスをリリースしていたカペラが注目されるきっかけとなったのは、「Loleatta Holloway」を起用した「Take Me Away」。この曲で火が付き「U Got 2 Know」「U Got 2 Let The Music」などチャートを席巻するヒットを量産。一躍、かの「2 Unlimited」の対抗馬となるのでした。こちらもジュリアナ終焉間際のリリースでしたが、全国のディスコでもヒットした人気曲。以降も「U & Me」「The Big Beat」、メンバーチェンジを行って新生カペラとしてリリースされた「Tell Me The Way」「I Need Your Love」「Turn It Up And Down」など、日本のディスコに欠かせないアーティストとなるのでした。
「Captain Hollywood Project」や「Culture Beat」など多くの人気プロジェクトに参加してきた実力派ボーカル・シンガーソングライターのキム・サンダース。彼女のソロとなるセカンドシングルでドイツでヒットしたほか、フランスなどヨーロッパで注目されたナンバー。様々なグループで培われた力強いボーカルが冴えるヒットポテンシャルの高い楽曲でしたが、やはりジュリアナ閉店間際で埋もれてしまった惜しい1曲。
55.Slave To The Music/Twenty 4 Seven feat.Stay-C & Nance
デビュー曲となるラッパーの「MC Fixx It」を起用したヒップハウス「I Can’t Stand It!」がドイツやイタリアなどで大ヒットし、ジュリア・ロバーツ主演の映画「ダイイング・ヤング」のサウンドトラックに起用されるなどヨーロッパを席巻した「Twenty 4 Seven」。2年間活動停止状態だったものの、1992年に復活。ラッパーの「Stay-C」とボーカルの「Nance」を迎えて1993年にリリースされた「Slave To The Music」はオーストラリアでプラチナ、ドイツでゴールドディスクを獲得するなど、このプロジェクトの代表的なナンバーとなりました。
「I Can’t Stand It!/Twenty 4 Seven」同様ラッパーの「MC Fixx It」を起用したアンチカペラの代表的なナンバー。カペラ擁する「Media」レーベル傘下の「 Underground」からリリースされた「2√231」のヒット後も「I Wanna Love You」「Movin’ To The Beat」がヨーロッパ各国でチャートイン。その勢いを受けて送り出された「Move Your Body」が大爆発。ジュリアナ以降、日本でも度々テクノブームが訪れるのですが、2000年以降のブームでいわゆる「ミッション時代」にリミックスチーム「Euro Tech」によってリミックスされ、再び注目を集めました。
ドイツのユーロダンス・プロジェクトで、この「Get-A-Way」のほか「No More (I Can’t Stand It)」「You Can Get It」のヒットで世界的な成功を収めています。当時、「Ice MC」や「Fun Factory」などラガスタイルの男性ラップを取り入れたスタイルがトレンドとなっており、その代表的なアーティストとして活躍しました。しかし、日本ではあまりヒットしなかったのが残念。
58.Light My Fire(R.A.F.Zone Mix) /Club House feat.Carl
スティーリー・ダンの「Do It Again」とマイケル・ジャクソンの「Billie Jean」のマッシュアップ・メドレー「Do It Again Medley with Billie Jean」やオリジナルナンバー「Deep In My Heart」のヒットで知られるイタリアのユーロダンスユニット。この「Light My Fire」は一度1993年にリリースされているものの、大きくチャートアクションを起こしたのは1994年にリリースされたカペラによるリミックスバージョンです。イギリスでは7位まで上昇する大ヒットとなり、1996年にも再びリミックスバージョンがリリースされています。
ジュリアナどころか世界的にもメガヒットした大アンセム。数え切れないほどのリミックスやリメイクを経て、もはやダンスミュージックの歴史の残る名曲です。もちろん、ジュリアナでも外すことのできないナンバーでしょう。リミックスも数え切れないほどリリースされているほか、2021年には「I Want You Back」がリリースされるなど未だ現役アーティストです。
62.Move It To The Rhythm/Technotronic feat.Ya Kid K
1989年にリリースされたデビューシングル「Pump Up The Jam」がヨーロッパ、及び全米でも大ヒットを記録したテクノトロニック。ジュリアナテクノTOP3に入る名曲「Anasthasia/T-99」を大ヒットさせた「Patrick De Meyer」がプロデュースしており、セカンドシングル「Get Up」でコンビを組んだラッパー「Ya Kid K」と再びタッグを組んでリリースされたのが「Move It To The Rhythm」。こちらもヨーロッパのみならず、2000年のテクノブーム時には日本でもリミックスチーム「P.K.G.」によるリミックスが制作されるなどロングヒットしました。「Recall」も通好みで人気。
当時は3人でしたが、現在はオリジナルメンバーのケレン・ウッドワードとサラ・ダリンのデュオとして現在でも活動しているバナナラマ。こちらは小室哲哉プロデュースによるナンバーで、バナナラマの歌声を90年代のユーロダンス・スタイルに仕上げています。リミックスはジュリアナテクノの代名詞「Can’t Undo This!!」や「I Like It」などが有名な「Maximizor」が担当しており、日本人の感覚に合ったポップかつハイパーなダンスミュージックです。
1995年にエイベックスに移籍したマイケル・フォーチュナティによるユーロダンス・ナンバー。従来のハイエナジー・スタイルではなく、やはり時代に合わせてユーロダンス・スタイルのハイパーな楽曲となっており、これが賛否両論でした。リミックスには「T.Y.M.」や「I.S.D.」、「MST」など錚々たるリミックスチームが集結。これらのリミックスを収録したEPは現在再評価されており、かなりの数のCDが海外に流出して見つけるのが困難になっています。翌年にジョン・ロビンソンやデイヴ・ロジャースがプロデュースする「dreamin’/Kiss Me Love」をリリース、また2018年には往年のディスコヒットをカバーした「ザ・ベスト・オブ・ディスコ・カバーズ」をリリースしています。
海外のみならず日本でもヒットを連発したクロックのヒット曲「In The House」「Whoomph!(There It Is)」「Everybody」「Axel F」をジョン・ロビンソンがメガミックスにしたものです。元々はCD「Velfarre vol.4」に収録されたスペシャルミックスですが、後にシングルカットされました。まとめておいしいところを聴きたい・踊りたいという方に最適な、一粒で二度おいしいナンバーでしょう。
オリジナルのリリースはテクノ全盛期である1993年でしたが、日本でこの曲が注目を浴びたのが1996年。この年、イタリアでは70年代のテイストを取り入れた「My Radio」がヒットしていましたが、日本で急に「Beat It」が発掘されてディスコでパワープレイされるようになって話題になりました。古くは「Jive Into The Night」のメガヒットで知られる「Green Olives」やウィッグフィールドなど、世界的ヒットを数多く放っている「X-Energy Records」からのリリースなので、このナンバーのクオリティも間違いなし。この曲のヒット後、日本でも「My Radio」や「Sweet Lady Night」が紹介されています。2020年にはトランスバージョン「Beat It (Andy Cain 2020 Remix)」がリリースされています。
ヴェルファーレ時代にも「U & Me(B4 ZA BEAT Remix)」や「The Big beat」「Don’t Be Proud」、メンバーチェンジ後も「Tell Me The Way」「I Need Your Love」とヒットを量産したカペラのサードアルバムからのカット。おなじみ「Mars Plastic」によるハイパーなサウンドで、安定した人気を保ちました。日本限定で「T.Y.M.・P-Team」と「B4 ZA BEAT」の2チームによる合同リミックスが制作され、こちらも話題となりました。
69.Take A Ride(John Robinson Remix)/Rob ‘N’ Raz Circus
1989年にリリースされた「Got to Get」がイギリスのシングルチャート8位に食い込むヒットとなり、一躍注目を集めたスゥエーデンのDJ/ミュージシャン・デュオである「Rob ‘N’ Raz」。以降は本国以外でのチャートアクションはなかったものの、アルバム「Circus」からのシングル「Mona Lisa」が日本のクラブチャート上位にランクイン。「Whose Dog Is Dead」「Take A Ride」など、ポップなメロディにラップを乗せるスタイルが人気となりました。こちらはジョン・ロビンソンがリミックスしたユーロダンスと当時流行したラテンのリズムを取り入れたレアバージョン。
小室哲哉プロデュースによるインターナショナル・プロジェクトである「Eurogroove」のスマッシュヒット。オリジナルは「Technotronic」やPWLの「Stock-Aitken-Waterman」のプロジェクトに参加するなどの実力派ラッパー「Einstein」を迎えた「Scan Me」で、こちらはU.K.のプロジェクトによるアレンジバージョン。特に「Felix Da Housecat」のリミックスが大きく注目を浴び、一時的にU.K.ダンスチャートで1位を獲得する大ヒット。しかし、小室哲哉が日本でのプロデュース業務に追われ、この「Eurogroove」プロジェクトも1995年で終了することになります。
明るくポップなサウンドに乗せて「ピザ・ハット」「ケンタッキー」「マクドナルド」とタイトルどおりファストフードの有名チェーン店の名前を連呼する「これぞユーロダンス!」と言うべき1曲。元々は伝統的な民謡「A Ram Sam Sam」の替え歌で、イギリスの学校で流行したものであるらしい。このアーティストによるバージョンはプロデュースに元PWLのマイク・ストックが参加しており、クオリティは文句なし。イギリスで2位、スコットランドで1位とシングルチャートで大爆発しました。
通称「マイアヒ」。ラジオ・有線、特に名古屋の「ZIP-FM」でパワープレイされ、クラブでもよくかかっていたナンバーですが、この曲を一躍有名にしたのは「2ちゃんねる」のアスキーアートのキャラクターを使用した「Flash動画」でしょう。ルーマニア語の歌詞を日本語の空耳歌詞に置き換えた面白おかしい動画はネットで大きな話題となり、この曲がブレイクするきっかけとなりました。いわゆる「のまネコ問題」も、まぁ上の曲同様エイベックスの仕業なんですがね。ユーロビートやトランスなど何度もリミックスされて息の長いロングヒットとなっています。ちなみに、2021年にはハッピーハードコア・スタイルの「Dragostea Din Tei(W&W Remix)」がリリースされています。
1980年代から、その独特のファルセットボイスを生かした特徴的なハイエナジーサウンドでヒットを連発し、ドイツで最も成功したデュオとして知られるモダン・トーキング。こちらは2001年にリリースされたドイツのF1番組のテーマソングとして制作された疾走感のあるユーロダンス。PVもかっこいいので、すごくオススメな1曲です。古くは「Hyper Hyper」や「Move Your Ass!」、日本では「Fire」がおなじみのスクーターによるリミックスもジャンプスタイルでぶち上がりますよ。
おなじみのエロティックですが、長らく活動停止が続いていたものの、2016年に「Video Starlet」で奇跡の復活を遂げ、ファンが大歓喜しました。2018年には「Mr. Mister」、2020年にはデビュー曲「Max Don’t Have Sex With Your Ex」のリブート、そして2021年に「Head Over Heels」がリリース。時代の流れか、従来のテイストと異なり、EDMに大きく影響を受けたサウンドとなっています。2021年にぼくが注目したダンスミュージックの1曲としてセレクトしています!
84.Are You Ready(We Love The 90s)/Masterboy & Beatrix Delgado
「Everybody Needs Somebody」や「Feel The Heat Of The Night」などのヒットを放ち、ユーロダンスを象徴するグループのひとつであるマスターボーイ。この曲は2018年にリリースされ、久しぶりの顔合わせとなる初期のボーカルを務めたトリクシ・デルガドが参加した復帰作。オリジナルはEDMの影響が強いですが、当時のサウンドを再現したリミックスもあるので当時からのファンは安心しましょう。
87.Double Trouble(Tiësto’s Euro 90’s Tribute Remix)/Will Ferrell, My Marianne & Tiësto
ネットフリックスで配信されたユーロビジョン・ソング・コンテストをテーマにした映画「Eurovision Song Contest: The Story of Fire Saga」の主題歌。「Sparkles」や「Flight 643」などのトランスで有名なDJ「Tiësto」がサウンドをプロデュースしています。90年代のユーロダンスよりも2000年代のトランス・ポップに近い音ですが、それでも十分に踊れるナンバーです。
89.So Many Men, So Little Time(Extended Mix with Rap)/Sinitta
超定番ディスコサウンド「Toy Boy」「GTO」などの大ヒットを連発したシニータが、おなじくディスコヒットした母のミケール・ブラウンの大ヒット曲「So Many Men, So Little Time」をカバーという、これまたディスコおぢさんが泣いて喜ぶ1曲。現代風ユーロダンスらしく途中からラップが入るのもよきなのですが、好きではないという方のためにラップ無しのバージョンもあります(日本で見つかるかどうかは知らない)。こちらもイギリスのディスコレーベル「Energise Records」からのリリースで、ディスコおぢさんはこのレーベルを要チェックですよ。
元PWLのストック&エイトキンのプロデュースにより「ZIP-FM」で大ヒットした「Nothings Gonne Change My Love For You」で知られるジョン・オーティス。続く「F.R.David」の「Words」のカバーも注目を浴びた彼の隠れた名曲をご紹介。このナンバーはファーストアルバムのボーナストラックとして収録された曲でしたが、後に横田商会こと「Y & Co.」によってハイパーなユーロダンス・サウンドへとリミックスされています。
93.Higher Than Love(Motiv8 Pumptronic 12″ Mix)/Gina G.
ヒット・リミキサー「Motiv8」のアレンジで「Ooh Aah… Just A Little Bit」が世界的大成功を収めたジーナG。「I Belong To You」「Fresh!」「Ti Amo」と続くシングルも絶好調でしたが、こちらはU.K.で2種発売された「Gimme Some Love」の片方に収録されたリミックス。日本には入ってきてないはずのバージョンですが、ディスコなイントロからメロディアスなフレーズに突入し、どんどん盛り上がってく展開はやはり「Motiv8」サウンドというべきで、いい仕事しています。
ジーナGの成功以降、ユーロダンス・シーンには大量のクローンが出現しました。この曲はそのうちのひとつで、プロデュースに「L.A.Style」などテクノ時代にヒットを量産したデンジル・スレミングを迎えており、ポップとテクノの中間といった体の揺れるナンバーに仕上がっています。日本でも微妙な反応でしたが、2000年以降のテクノブーム(ミッション時代)に再発掘されてテクパラが付いたことから再びクラブで踊られるようになった経歴があります。「Lucky Number」「Don’t Give Me Candy」もおすすめ。
エイベックスのU.K.支社で結成された3人組のアイドルグループ。モデルだったり、エターナルのバックコーラスを務めたり、カラオケ大会で優勝したりと、それぞれが実力派揃いで大きく期待されたものの不発。速攻で解散しました。メンバーの一人であるクレアは、後にステップスに採用されて才能を開花させます。ファーストシングル「Heart & Soul」は「Hyper Go Go」や「Strike」をリミキサーに迎えており、当時人気だった「ハッピーハンドバック」スタイルのサウンドとなっています。
98.If You Wanna Party(Aiax Mix)/Molella feat.The Outhere Brothers
「Reel 2 Real」の「I Like To Move It」の世界的ヒット以降、各国でラガスタイルのラップを取り入れたハウスサウンドがトレンドとなります。その代表的なアーティストのひとりでU.K.のみならずヨーロッパ各地を席巻した「The Outhere Brothers」をラッパーに迎えた本作。日本では「Don’t Stop」のリミックスがロングヒットしていますが、こちらもハイパーなユーロダンスにラガマフィン・ラップが絡むマニアックな一品となっております。
99.Sometimes When We Touch(Pete Hammond NRG Mix)/Newton
元PWLのストック&エイトキンのプロデュースによる「Sky High」が成功したニュートンのセカンドシングル。リミックスには同じく元PWLのエンジニアであるピート・ハモンドを迎え、古き良きハイエナジーと現代風サウンドがマッチした哀愁ユーロダンスに仕上がっています。ダン・ヒルの名曲のカバーですが、こちらも根強い人気があり、2012年にリリースされたアルバム「Time to Believe」には新しく制作された新バージョンの「Sometimes When We Touch ’12」が収録されました。
100曲目というこでメアリー・キアニの「100%」。「TTF」ことザ・タイム・フリークエンシーのボーカルとして活躍後、ソロデビュー。「When I Call Your Name」がU.K.ダンスチャート1位に輝く大ヒットとなりました。こちらは1997年にリリースされた4枚目のシングルで、やはりU.K.ダンスチャートで3位と絶好調。向こうでは「Tall Paul」のリミックスがヒットしましたが、日本では「Motiv8」のリミックスが人気でした。テクパラも付いていて、ハイパーテクノとして長らく踊られたナンバーです。
100曲超えちゃってるけど、そんなことは気にしないのがユーロダンス・スピリット。おそらく、自分が初めて聴いたと思うユーロダンスがこの「The Rhythm Of The Night」。デビュー曲でありながら、イタリアでは首位を獲得し、U.K.では2位まで上り詰める大ヒット。ヨーロッパ各地でも軒並みチャート上位を記録しています。日本でもヒットし、続く「Baby Baby」「Try Me Out」「I Don’t Wanna Be a Star」もチャート常連でした。テクパラもあって、意外と長くクラブでプレイされ続けた名曲。TVのバライティ番組でも芸人がBGMに使ったりと、お茶の間でも聴く機会が多かった1曲です。地元のクラブで DJ KOO がゲストに来たディスコ・イベントのファースト・スピンがこの曲だったのも印象深いです。
ラ・ブーシュはボーカルの「Melanie Thornton」とラッパーの「Lane McCray」によるドイツのダンスデュオで、デビューシングル「Sweet Dreams」が大ヒットを記録。「Be My Lover」「Fallin’ In Love」など多数のヒットと共に、アルバムも人気を得ます(フィンランドとスイスでは最高位2位)。特にこの「Be My Lover」はヨーロッパのみならず、アメリカでも6週に渡ってビルボードにチャートインするなど世界中でヒットしました。
「Close To You」の大ヒット後、ラガマフィンラップを取り入れた「Take Your Chance」などフロアへ刺激を提供し続けたファン・ファクトリーの根強い人気曲。非常に早いBPMで、初めてフロアで踊ると驚くかもしれません(DJにリクエストしたら早すぎ! と、びっくりされたことがあります)。ラジオ・有線などメジャーになるのはセカンドアルバム以降ですが、クラブでよく聴いたのがこの曲だったなぁと思います。テクパラもおなじみで、ユーロ・テクノイベントで今でも踊られています。ちなみに、常連はこの曲がプレイされるとテクパラじゃなくて、突然腕立て伏せを始めます。
小室哲哉がプロデュースするインターナショナル・プロジェクトが「Eurogroove」です。「Move Your Body Baby」や前述の「It’s On You(Scan Me)」が大ヒットしました。このナンバーはTRFの「寒い夜だから…」の英語カバーで、クリスマス・コンピレーション・アルバム「avex Dance Xmas」に収録されています。「Eurogroove」は他にもTRFのアルバム「dAnce to positive」に収録された「ENGAGED」の英語バージョン「THE WINDSONG」などもリリースしていています。